白水沢の入口は、甲子温泉を過ぎて本谷を橋で滞り、登山路を 五分程登つてから右へ沢に入る道があるので、ここを歩く。滝に 出合ったら、右岸をまきぎみにして落口に出る。右から入つて来 る沢は吹上沢である。衣紋の滝は水量が多いので、いかにも滝ら しい。ここまでは甲子温泉からも楽に来る。道もあるのでよごれ ている。マキ道のしっかりしたのが右岸にある。衣紋の滝を過ぎ てから二段に落下するのが、チョンチョンの滝と云われており、 ルートは右岸よりにへづり、そのまま直登する。危険な滝もなく 二股に着く。出合に大きな木があり、矢板岳友会の小さな道標が 打ちつけてある。左股は暗い感じの沢で、沢床は赤い。十五分ほ ど歩くと右手から三十mの滝が落下している。これは、一の沢で ある。左股には十五mの滝がある。直登は取りつきはいやな場所 であるが、ついてしまえばホールドもしっかりしているのでむず かしい所ではない。マキ道は右岸上部が少し悪い。登りきって大 きく右に曲ると沢をせきとめて、どうどう落ちる滝に出る。上部 がハングしているので、左岸のガレを登ってまく。まもなく右手 より五十mの滝がある。二の沢の出合である。左股には二十mの 滝がかかる。水量が多い時には左右登れるが、水量の少ない時は シャワークライムで登ろう。ナメが現われるともう源流である。 注意しないとスリップするので、基本を忘れずにネマガリダケが 両岸からかぷさって来たら右岸にとりつき、十分ほどヤプをこぐ と甲子峠からの縦歩路に出る。左へ十五分ほどで甲子山への分岐 点、ここから甲子温泉までは一時間の下りである。