仙人通信I(我が家が見える山D) 塔の岳・丹沢山・蛭が岳・姫次・焼山の縦走路は丹沢の中でもポピラーなコースであり、我が家か ら良く見える。姫次と焼山(仏果山で見えない)の間に「黍殻山」はある。山頂は木に覆われていて 視界は良くないが、冬の間は木の間から見渡せそうなので、登ってみることにした。 国道413号線・平丸橋の横の旧道に車を置いた。すぐに路は杉林に入った。 先日降った雪が30〜50cm積ってはいるが、雪が締まっていて歩き安そうである。最初からアイゼンが 雪に刺さる音を楽しみながらの登りである。45分近く歩いたろうか、青根からの登山道が合流する。 尾根道となり杉林が松林に変わった。日当りのよい所にはコウヤホウキの枯れ穂と水揚げを始めた黒 モジの木が春の近いことを教えてくれる。しかし尾根道は雪の中で他には何も見当たらない。 3連休であったのだが、この尾根道には登山者がいないらしく、踏み跡がない。 獣道が沿って在るらしく、ウサギと狐が新雪の上に、山頂目指して登っている。風もほとんどなく、 静かな登りである。 突然、鉄橋を渡る特急列車の音が背中に響いた。振り返ると相模川との間の道志の山(船山)の山頂 の高さまで登っていた。この時間だと「甲斐路101号が上野原あたりか?」、それにしてもよく聞 える。気温が低い性であろうか。 雪の上の落ち葉が松葉からカラマツの小枝や松ぼっくりに変わった。周囲が明るくなり、大室山の 向こうに、冠雪した富士が現れた。青空に映えて綺麗である。2時間程度で横山沢の頭についた。 ここからは、先ほどの縦走路である。この連休で3人程の縦走者があったらしく、焼山に向かい足跡 が繋がる。よく見ると鹿が山越えした爪の跡がある。ウサギ・狐・鹿も皆、早戸川に向かい山越えを していた。 東側の谷の先に我が家があり望めるはずであるが、水蒸気が上がりよく見えない。仏果山や手前の 宮瀬ダムに掛かる橋は山の中にあり、冷えているので良く見えるのだが、残念である。400mmのレ ンズを我が家の方向に向けて無限大にピントをとりシャッターを切った。(家に帰りパソコンで拡大 して見たら、ぼんやりとした状態であるが我が家が写っていた。) 20分程で黍殻山に着いた。木立でどうも視界はよくない。諦めて焼山に向かった。 焼山までの尾根は視界がそこそこで奥多摩の大岳山・秩父連山・鴨の腹すり山・丹沢山・蛭が岳等が 一望できる。慎重にアイゼンの効き具合を確認して、時間を掛けての下山となった。 (h17.2.14)(カラマツの間から大室山の向こうに富士が!!!!)