仙人通信M(八菅山)
  丹沢の東の端、中津川と鳶尾団地の間に海抜250m程の八菅山・鳶尾山がある。
 八菅山は現在八菅神社が祭られているが、奈良時代は禅寺であったらしく、寺跡も残っている。
 神社の社務所の隣にある駐車場に車を置き、小さな沢沿いに歩いた。里山と思っていただけたら、
イメージが合うのかもしれない。4月末になるとピンクの可愛い「オドリコソウ」が神社の社務所の
周辺に咲く。今年は数日早い訪問のためか、沢山の花を見ることはできなかったが、何度見ても可愛
い仕草をした花である。
沢沿いの日陰では「ニリンソウ」が盛りと咲き誇る。「茨」も白い花を付けて迎えてくれている。
今年はスミレも多い、白い小花の「タチスミレ」、や「タチツボスミレ」が目立つ、そんな中に紫色
の濃い「オカスミレ」もある。木製の20段ばかりの階段を上がると「ニシキゴロモ」が、地べたに
へばり付くように濃い紫色の花をつけていた。そんな中に3mm程の「ヤマルリソウ」の花が点在す
るではないか、それも一つの枝に薄いピンクとルリ色のビードロ細工の透けるような花弁を付けてい
る。180mmのマクロレンズでシャッターを切った。
500mぐらいの沢沿いに「ヤマルリソウ」が咲く、隠れた花園だ。
沢の周囲には「カキドウシ」が薄紫の舌状の花弁が地面を覆う。「ウラシマソウ」も何本か見受けら
れた。尾根に向かって階段を上る途中で薄いオレンジ色の「ハグマ?」を発見し、50mmマクロで
撮る。更に進むと「カンアオエ」が艶のある新葉に地味な花を抱いている。
 尾根道に出て下ると「ニリンソウ」に混じり「ジュニヒトエ」が点在している。日陰では「シャゲ」
が一面に白い花を咲かせている。
神社の裏手の木立の中に、なにやら白いものが、目を凝らすと「ギンリュウソウ」が3本咲いている
ではないか。昨年、八ケ岳の麦草峠で出会って以来である。100mmのマクロでシャッターを切っ
た。
1時間ほどで散策するコースであるが、春には意外と沢山の花が咲くのに驚いて帰路についた。
 
  (ヤマルリソウとギンリュウソウ h17.5.25)