仙人通信Q(八間山1934m) 草津温泉から8kmほどの所に400種もの高山植物が咲くと言う、八間山はある。 伊香保ICからロマンチック街道を走り、我が家からちょうど4時間で、野反峠の駐車場についた。 眼下の野反湖は青空を映して見事なコバルトブルーである。なだらかな稜線に残雪のエビ山、弁天山、 高沢山、それとは対照的に木々の緑で覆われた八間山が野反湖を取り巻く。駐車場からはピンクのズ ミの花が湖への斜面を彩る。駐車場の周囲の草地ではミツバオウレンが白い花弁に可愛いい黄色のボ ールの付いた蕊を、そして濃いピンクのイワカガミが一面に咲いている。 道路を渡ると、直に登山道である。ヒメイチゲも加わりにぎやかだ。 100mほど登るとシラネアオイ が咲いている方向と山頂への分伎点がある。シラネアオエの方に足を向けた。 NHKの花便りで、地元 の方々の保護育成で見事に咲いたと昨年紹介された事もあり、杖を突いた年寄りの見学者も多い。 平坦な道を10分位進と、山の斜面に数百はあるであろう株に透けるような淡い紫の花弁を、今は盛り と付けていた。今回は、グットタイミングであった。何枚かの写真を撮ってから、来た道を引き返し て、標高差500mの山頂を目指した。 登山道は、熊笹の稜線を踏みつけて出来た、緩やかな道で、滑る危険はあるものの誰でも登れる。 両側には黄色いキジムシロがヒメイチゲやイワカガミと共に咲くプロムナードの道である。 小さなコルまで上ると野反湖側は紅色のウラジロヨウラク・ムラサキヤシオツツジ・ドウダンツツジ が咲く。白砂川側のガレ場から心地よい風が吹き上がる。ナエバキスミレも仲間入りだ。スミレと言 えば小さな白いヒカゲスミレ?が多い。樅の木の下でピンクのショウジョウバカマを発見した。 今年は5月の遅霜の関係でショウジョウバカマを見かけても、殆ど花弁が茶色く傷ついており痛々し い。綺麗な花に期待ができなかっただけに会えて嬉しさが込み上げた。 イカ岩の頭(1823m)の近くではアズマシャクナゲが山肌を彩っていた。 平坦地で一休みすると、フデリンドウがブルーとピンクの可愛い花を付けて20株以上も咲いていた。 更に登るとイワナシが数株淡いピンクの花を熊笹の下に付けていた。健気な花に「お目にかかれまし たね」なんて声を掛け、そっと指で触れたらポロリと花が落ちてしまった。カメラを向ける前で残念 である。山頂が近づくと白い花のコヤマカタバミがツマトリソウと混じって咲いている。 そんな中に赤い縦縞のコヤマカタバミを見つけてシャッターを切った。濃いピンクのアズマシャク ナゲとガマズミの白が程よく調和した山頂からの眺めは最高であった。下山途中ではチゴユリまで 見ることができた。4時間足らずの山登りで20種もの花々と出会えて、大変満足し帰路に着いた。
(シラネアオイ) (ショウジョウバカマ) (イワカガミ)