仙人通信21(平標山1983m) 7月18日関東地方の梅雨明けの宣言がなされた。「よし、明日は平標山に登ろう」 平標山は谷川連峰の西の外れ・三国峠の直ぐ北側(新潟県)に位置する。9時半に国道17号沿いの駐車場 から歩き出した。コースは別荘地の中の林道を約1時間→登山道を1時間で山小屋→木道を1時間で山頂 である。下りは一の肩から松手山経由の3時間と踏んだ。合計6時間にアドリブを付けよう。 駐車場の横から始まる林道を沢沿いに進む。平日と言う事もあり人に会づ、お相手は鶯ぐらいだ。 透ける様なブルーの額アジサイや山アジサイ・トリアシショマが今朝降った雨を付け、日の光に輝く。 55分で登山口に着いた。唐松林の中の登山道は、丸太で見事に整備された急な階段だ。所々に黄色い二ガ ナやオトキリソウ・花の終ったイワカガミが見受けられる。40分ぐらい登った所で老夫婦にあった。 「まだ階段続くのですか?」悲痛な奥さんの叫び「3〜40分ですよ」{登ったのだから降りねばね!!!}。 なんて思っていたら、ブナや白樺の林となり、目の前に山小屋が現れた。予定通り1時間での到着だ。 この山小屋は森林限界にあり眺めは良好。山頂までは笹原に木道が真直ぐ伸び、柔らかな稜線へと続く。 5分も登らないのにゴゼンタチバナの白い花・黄色が光るキンコウカ・少し背が高いウメバチソウ・予期 もしなかったワタスゲまで揺れている。右手には雪田を幾つも持つ仙の倉山の山頂まで望める。コバイケ イソウが笹の斜面に咲き誇る。振り返ると赤い屋根の山小屋も遥か下によく見える。 その先には白砂山や6月に登った八間山が、そしてその北側には苗場のスキー場が望める。 小屋から40分位登ったろうかハエマツ・石楠花・ドウダンツツジ・ナナカマド等の風衝帯の植生に変った。 ほぼ1時間で山頂に立った。風速20m/sはあろうか、冷たい北風に慌てて長袖を羽織る。「風食裸地」が 観察できる、仙の倉山の鞍部まで行く事にした。この「風食裸地」は他の山と異なりノッチが北でロープ が南だ。梅雨時期に南側から吹き上げる「イナサ」によるものだそうだ。 今日は逆に北側から大きく呼吸する風で歩くのが辛い。この風で植物も15cmぐらいしか丈がない。 ハクサン石楠花・ムカゴトラノウ・ハクサンボウフウ・モミジカラマツ・ヨツバシオガマ・サンリンソウ ・そして花が終わり髭状のチングルマである。階段状に展開する「風食裸地」を観て山頂に戻った。 一の肩に向かうとハクサンフウロのお出迎え、コゴメグサも静かに咲き、ジョウシュウ薊が重い花を俯き 加減に付けていた。モミジカラマツ・コバケイソウ・黄色いオタカラコウ・二ガナが咲く尾根道だ。 更に松手山まではハクサンフウロ・モミジカラマツにヨツバシオガマ・ギボウシ・ミヤマダイモンジソウ と続く。松手山を下がると、可愛いコオニユリが3輪ばかり、また予期しまかった白いコメツツジ・ツリ ガネニンジン・オンダテ・クモマユキノシタ・ミヤマウツボクサ・アクシバ・紫のクガイソウそして登山 道の横にはイワハゼの赤い実が続いている。50枚以上の写真を撮り大満足で駐車場に戻った。 7時間弱の行程でした。
(サンリンソウとモミジカラマツ h17.7.19)