仙人通信24 伊吹山(1377m) 桑名に住む旧友と2人で伊吹山に登る約束をしていたが、やっと実現した。彼の家から車でゴンドラ のターミナルの駐車場、3合目までゴンドラを使用し、約2時間30分掛けて山頂を目指した。 ゴンドラを降りると森林帯から抜け出して、山頂が望める。左手には白い石灰岩の岩肌の岩壁があり、 ちょうど木曽駒の千畳敷をスケールアップした感じである。ご存知と思うが伊吹は、琵琶湖の東側から 始まる美濃帯の中に石灰岩から出来た山体であり、登山道も表土以外は石灰岩である。決して高い山で はないが、冬は琵琶湖から吹き上げる北風で雪に覆われ、低い森林限界となっているようだ。今日は高 曇りで山頂や関が原は望めるが、琵琶湖や東海地方は雲に覆われている。 台風14号の影響なのだろうか、風も無く、湿度が高くやけに蒸す。 そんな3合目の登山口では、赤紫の萩の花・クサフジ 、キンミズヒキ、ハクサンフーロそしてツリガ ネニンジンが可愛いらしいベルをつけてお出向いである。ほぼ20分間隔で合目があり、5合目から先 の登りが急勾配だ。五合目の標識の近くでは、2株のナナカマドがオレンジ色の実を付け、秋の近い事 を感じさせる。薄紫のクサボタンとツリガネニンジンが登山道を飾る。ウツボグサ・カワラナデシコ・ アキノタムラソウ・アキノキリンソウが目に付く。赤いコオニユリや黄色いオトキリソウも顔を覗かせ る。フジテンニンソウが白い穂状の花を槍よろしく、一面に付けている。8合目からはミヤマコアザミ・ ワレモコウ・リンドウ・トリカブト・トモエシオガマ・ミヤマホタルブクロも加わり、花の山そのもの だ。アカバナシモツケの開花には少し早い訪問となったが、サラシナショマが白く長い穂を一面に立て、 まさに見頃で壮観だ。11時にヤマトタケルの祭られた山頂に着いた。伊吹山でのヤマトタケルは、古事 記・日本書記どちらも伊吹の山神に雹の礫で苦しめられたとあるので、よくご存知と思います。伊吹山 の頂に山神でなく、ヤマトタケルが祭られているのも、日本歴史の面白さの一面の様な気がする。 山頂が近くなり、頑張ろうとしたら、子供・年寄りを含む登山者が多く、がっくりした。なんと山頂下 の駐車場に沢山の車が、もう乗り付けられていたのだ。雲が出てきたと言う訳ではないが、山頂からの 展望は、余り良くない。姉川・浅井・琵琶湖なんて探しても何も見えない、残念である。 山頂にはコースが3本あり、サラシナショマ・フジテンニンソウ・ルリトラノウ・シシウド・ボウフウ ・アカソ・ワレモコウ・ミヤマコアザミ・アキノキリンソウ・ハクサンフーロが山頂を埋め尽くして いた。1500mもない低山で、こんなに沢山の花に出会えるのも、花好きには嬉しい限りだ。 帰りは、岐阜羽島まで友人に送って頂き、新幹線で帰路に着いた。(旧友と心を通わす事の出来た1日 でした。)