仙人通信32(鳥の胸山1208m) 鳥の胸山は道志道の駅と道志川を挟んで南側に位置した独立峰でミニ鹿嶋槍なんて云われている。 昔は殿群山だったらしいのだが、変遷したらしい。40年位前に買った昭文社の丹沢編には名前すら載て ない山であったが、山梨100名山となってから有名になり、ガイド等に載るようになったようだ。 土曜日に降った雪で、真白に化粧した富士山に期待して、道の駅に車を置いて登ってみた。 道志川を渡り、さらに先のせせらぎの橋に道標があるが、ガイドでは手前を曲がれとある。急ぐ登山で もないので、道標に従い雪の林道をノンビリと歩く事にした。林道は桧の巨木に覆われて、時折吹く風 で枝に積った雪を頭上に撒き散らせ、それがダイアモンドダストよろしくキラキラと綺麗だ。 足元の雪も降雪4日目と言うこともあり、15cm位に締まって歩き易い。 40分程歩くとガイドにあったグリーンロッジからの登山道とクロスした。体も温まりウオーミングアッ プになったようだ。程なく林道は消えて登山道となった。南西面は桧と杉の植林帯であり、北側は小楢 等の落葉樹でこの境界に登山道が作られている。右手に菜畑山と赤鞍岳を見ながら30分程急なジグザク を登る。全体が落葉木となり明るくなり、振り合えると真白な富士山が菰釣山と御正体山を両側に控え させて胸を張る。程なく小さなピークがあり、尾根道に変わった。落葉樹の梢の先に道志道に沿って白 く化粧した袖平山等も見える。6本爪アイゼンの往復の踏み跡以外には誰も登っていないようだ。 登り初めて1時間45分で山頂に立てた。ここだけは富士山方向に木がなく、真青の空に白く浮かび上が る富士山を眺めた。山頂は2つのピークがあるが、2つ目からの眺望は0に等しい。これより先は 踏み跡もなく、木に付けられた赤い布切れを見落とさないように平指山に向かう。平指山への登りから はブナが多くなり、奥丹沢のイメージである。山頂からは桧洞丸・大室山・加入道山もよく望める。 ここから大界木山と思っていたのだが、踏み跡もなく不明のため、道志の森キャンプ場へのルートとし た。桧の枝打ちがされており、城ヶ尾山から菰釣山・そして富士山の山頂が良く見える。 急な桧の林を30分程下ると三ヶ瀬川の東沢に出た。 地図によると東沢の上流には水晶橋と言うのがある。水晶でも採れたのか?。 鳥の胸山は丹沢の中心にある石英閃緑岩の北の端であり、この沢は石英閃緑岩との接触変成帯であるこ とから、菫青石・パンペリー石・ぶとう石等のトレージャーストーンが探せるかと思い、沢の冷たい水 の中を30分もあさってみたが、斜長石と石英閃緑岩の小石のみでした。 (用木沢の出会いから白石峠に掛けては、菫青石・ペンパリ-石等があることで知られている) 欲張った4時間強の山歩きは、子供に帰れた楽しいものでした。(h18.1.24)