仙人通信C(我が家が見える山@)

 我が家のベランダから丹沢の大山が目の前に望める。 400mmの望遠で覗くと雨降神社の奥社と
テレビ中継の無線局のパラボラが頂上に良く見える。「であれば大山の頂上から我が家が見えな
いものか?」なんて、考えても可笑しくはないであろう。
 大山の山頂と我が家との距離は18km程度ある。晴れれば、我が家を確認できるかもしれない。

 11月29日、時間が出来たので車で出かけた。ヤビツ峠から尾根道を登り、75分程で山頂に到着
した。月曜日と言うこともあり、そう多くの登山者はいない。ゆったりした山頂である。
山頂の奥社の前には、赤く色づいた真弓の実が見事になり、青空にバランスして神々しい。
傍にある方向標示盤を覗くと「東京市」なんて表示がある。歴史の教科書に触れられ嬉しくなっ
た。因みにこの標示盤は昭和2年の設置とある。そんなに古い話でもない。
その指示盤の先を望むと靄である。ラジオの天気予報が的中して午後からやはり曇りか。
それでも厚木インターチェンジ・相模川は、十分目視で確認できる。
三脚に400mmのレンズを固定して、カメラを通して我が家を探す事とした。
我が家は座間キャンプの赤と白の無線塔の下である。ファインダーを覗くとキャンプ内の学校群
やジェンキンスさんで有名になった司令部が確認できた。ピントを合わせるが明確には断定でき
ない。絞り込んでシャッターを切った。帰ってから伸ばして確認しよう。
奥社の裏の無線中継所で作業がされていたので、扉の方に周りベイを覗くとNEC製である。
「デジタルですか」との問いかけに「企業秘密だよ」と帰ってきた。 「NECの元社員だ」との言
葉に顔が緩み「アナログなんです」。今時なんでアナログなのか?・・フジテレの作業服のお兄
さんと会話をした。会社を退社したのに、まだ引きずっている自分に苦笑した。
帰宅して写真をA−4サイズに伸ばし、相模川の厚木側からの写真と確認した。白い家らしきも
のは確かに我が家である。我が家をはっきりと写真に撮るために、年内に今一度大山に登ろう。
我が家が見えそうな山は、近いところでは鐘ヶ岳・三峰山・仏果山・八菅山・鳶尾山がある。
弘法山や塔が岳からも見えるかもしれない。
冬の木の葉が無い時期、体力作りを兼ねて確認の山登りをしよう。
(奥社の前に梅の花の様に色付いた真弓の実)