仙人通信43(黒斑山2404m・高峰山2106m) 唐松の林道の両側は、黄色の待つ宵草・白のガマズミ・ピンクのヤナギラン・赤紫のホタルブクロ・ 濃いピンクのシモツケ・アカバナシモツケ・紫のクガイソウそして、崖の上にはイブキジャコウソウと 車坂峠まで夏の花のオンパレードである。ニッコウキスゲで真黄色に染まった草原の横に車を置いて、 黒斑山に向かう。車坂山までの緩い登りは、トリアシショマ・ミヤマシャジン・オンダテ・カノコユリ が咲く。ここから一度15分ほど下がり、トミーの頭までガレバと林を繰り返す登りとなる。オミナエ シに似た小さな真黄色のキンレイカの花が見事だ。岩の上から紫の頭を垂れたミヤマシャジンが、様に なる。何処のガレバもそうだが、オンダテの小さな赤い花が目を引く。木陰ではピンクのシャジクソウ (ミヤマクルマバナ)やイチヤクソウが、ヤマハハコやウスユキソウも綺麗だ。ピンクの嘴状の蕾と蕊 を突き出した花のホツツジが全山に咲き誇るのには、驚きの一語だ。沢山あるシラタマやツガザクラは 他の花に圧倒されている様に見える。60分程で赤く錆びた避難用シェルター着く。植生が少し変わり、 ムカゴトラノウ・ボウフウ・オトキリソウやアキノキリンソウが、林では白い石楠花や、ゴゼンタチバ ナも加わった。トミーの頭からは、前掛山が、又蛇骨岳から鋸岳に掛けての水蒸気爆発の断層が見事で ある。カメラを準備していると、湧き上がった雲に視界を遮られる。何たることか!!!。ふと足元を みると薄ピンクのコメツツジが誰にも見られず、ひっそりと咲いているようだ。早速180mmのマクロで 1枚撮った。コメツツジは、全山でなんと、この一株だけであった。畑で見るジシバリの仲間のタカネ 二ガナも意外と多い。こんな訳で黒斑山の山頂まで、2時間40分も掛かってしまった。山頂からは目の 前に浅間山・前掛山が、切り立った目の下には長閑に見える草原が広がる。黒斑山の標高は本来2800m 程であったそうだが、水蒸気爆発で南半分が飛び散り、現在の2404mとなったとある。近くの別荘から 来たと言う夫婦が、最近の爆発で火山灰が屋根に積ったと得意げに話すのをお数に昼食とした。 帰路はトミーの頭の近くから「中のコース」とした。ヤマオダマキ・コゴメクサ・マルバダケフキ・ カノコユリ・イチヤクソウを見ながらの緩やかな下りであった。自称82歳と言う下山中の老人に会う (ただただ元気さに驚く)。駐車場からは、黒斑山の西側にある高峰山神社の鳥居を潜り、約2時間 の高峰山の往復である。25分程登ると後は、ほぼ平坦である。高峰山は、駐車場から標高差にして 120m程であるため、バスツアーで訪れる老人のグループが多い(静かさがどこかに消えてしまい悲 しい〜)。 高峰山もホツツジ・ミヤマシャジン・薊・トリアシショマ・ツリガネニンジン・ソバナそして黄色い マルバダケフキである。そして尾根ではイブキジャコウ・アカバナシモツケが可愛い花を着ける。 ワレモコウやマツムシソウも咲き始め、直そこに秋を感じる。山頂ではミヤマシャジンやクモマクサ も咲く。 帰路に少し雨に降られたが、花に埋まり、山に登っている事を忘れさす一日でしたよ(h18.8.2)