仙人通信F(我が家が見える山B)

 12月27日朝6時、犬の散歩のために近くの公園に・・、空は青く澄み大山を始め丹沢が近く感じる。
箱根の外輪山である明神ヶ岳が大山の南肩に見えるが少し雲が掛かっているようだ。
外輪山で明神ヶ岳に並ぶ金時山は、1213mと最高の海抜である。我が家が見えるかもしれない。
9時半に金時神社の駐車場に着いて登り始めた。登山道は植林された檜林の中である。沢には玄武岩が
ころがっているが、赤土の火山灰土で滑る。明神岳への三叉路からは落葉樹に変わる。岩も溶岩に変わ
って行く。金時山(猪鼻山)は箱根の寄生火山でる事を実感する。登山道の両端には箱根菊やショマ・
スミレの越冬葉がある。仙石原のゴルフ場越しに芦ノ湖や水蒸気を立ち上る大涌谷が見える。
頂上からは素晴らしい富士山と我が家が、見えるかもしれないなんて期待して登った。
愛鷹山や羽鮒山はよく見えるが、富士山は雲の中であった。山頂の東側は、茶屋と木により僅かに大山
が望める程度で、その先は水蒸気でボヤケて見えない。我が家の確認は無理だ、残念。明神岳は山頂が
開けており、可能性があるかもしれない。
 1月5日晴天である。宮城野にある温泉会館の駐車場に車を止めて、ファミリーマートの横から明神
ヶ岳に登り始めた。登山道は別荘地に隣接する赤土の掘割である。今朝は寒かった性もあり、5cm程
に横向きに出来た霜柱が靴に当り、崩れて白く透き通った結晶が顔を出す。形状が様々で歩くのを楽し
ませる。1時間も歩いた所に明星ヶ岳への分岐点がある。尾根道は、大晦日に降った雪が10cm程積雪
している。若干凍っているものの踏み込むと罅が入り滑ることはない。森林帯から抜け出ると360度に
近い見晴らしは見晴らしだ。大山の南稜が我が家の方向である。カメラを構えて覗くと町田・海老名が
見える。座間のキャンプの無線塔も確認できた。しかし小さい我が家は十分確認できない。念のためシ
ャッターを切った。(帰宅後パソコンの画面で確認したが、40km離れると正確に判別できるレベルに
はならなかった)山頂は冷たい北風が頬を刺すものの、360度の展望は文句なしである。
富士山の手前に先週登った金時山、富士山の右肩には北岳・濃鳥岳が白く光る。更に右には八ケ岳の赤
岳も白く光る。更に右には丹沢山塊がごま塩の白さで雪をいただいている。残念ながら山頂からは、前
衛の山が我が家の方向を遮る。富士山の左側では、愛鷹山・箱根の神山・駒ヶ岳そして伊豆の山が聳え
る。大島も眼下にある。海岸線も房総・三浦・湘南・東伊豆と何処を眺めても飽きることはない。
足を明星ヶ岳に向けた。山稜は篠竹を切り開いたアップダウンが続く、雪解けした道はモグラの盛り上
げた小山が続く、昔何かの本で箱根が関西モグラと関東モグラの「関が原」であると書かれていたのを
思い出した。稜線を乗越して行来しているのはどちらのモグラかモグラに聞いてみたい気になった。
宮城野で日帰り温泉に浸かり、満足の一日に感謝した。