平成10年12月27日(日)〜30日(火)
日光 白根山 (撮影:浅川浩三)

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白根隠山よりの男体山方面 五色山からの奥白根山 白根山よりの浅間方面 白根山からの富士山 姥ケ平よりの茶臼岳
白  根  山 姥 ヶ 平
  ・浅川浩三
  ・12月27日 薄曇り
    一日中薄く雲がかかり日差しは殆どありませんでしたが、遠くまで見渡せ風もなく登山日
  和でした。天狗平を少し登った所のなだらかな尾根筋に大きなテントが2張りありました。
  どこかの学生の合宿なのでしょう。登山道は夏道通りにきれいにトレースされ歩き易いで
  した。スキーのリフトが動いていたので、第二リフトまで利用しました。これでかなり楽
  したはずなのですが荷が重かったので疲れてしまい、白根避難小屋についてからどこにも
  出かけませんでした。デポしておいた生物の食料は面白いようにコチコチに凍っていまし
  たが無事でした。他の登山者は誰もいなく快適な夜を過ごすことができました。小屋のす
  ぐ近くには大きなテントが3張ありました。都立大学の冬山合宿とのことでした。15人
  位の中、女性2人とか。

  ・12月28日  晴れ
    天気が良かったので早朝、ヘッドライトを付けて白根山頂に行ってみました。ドームを登
  り切ったあたりで日の出となりました。風もないので山頂でのんびりしていたら、元気の
  良い高校生が先生に引率されて7〜8人登ってきました。どこも氷結した場所はなかった
  ものゝ、アイゼンなしの彼等の登山には驚きました。避難小屋に戻り、ゆっくり昼食を取
  り、白根隠山に行ってみました。避難小屋から南に少し行ったところにある火口壁で、隣
  のテントの学生とみられる若者が盛んに滑落防止の雪上訓練をしているが見えました。雪
  の少ない白根隠山頂からは、南に走る縦走トレースがみえました。翌日尾根歩きの雪上訓
  練をしていると云う学生に聞いたら、それは彼らが袈裟丸山から縦走してきたトレースと
  のことでした。元気な若者と出会えてすがすがしい気持ちになりました。膝ぐらいまでの
  積雪でしたが、このところしばらく降雪がなく、表面だけが凍って、何処も歩きにくいと
  ころばかりでした。しばらく白根隠山頂近辺を散策してから下山することにしました。雨
    量観測所の脇を通り、一般ルートに出て避難小屋へ戻りました。一般ルートはどこも高校
  や大学生の合宿で、まるでハイウエイーのごとくきれいにトレースされていました。避難
  小屋には2人の登山者が、小屋の中にテントを張って、歓談していました。

  ・12月29日 晴れ夕方から小雪
    昨日立ち寄った雨量観測所の周辺のきれいなシュカブラを見に、今日もまた早朝、ヘッド
  ライトをつけて出かけました。モルゲンロートに染まったシュカブラは小規模なものでし
  たが見事でした。それから前白根山から五色山ヘ行きました。五色山からの、雪に覆われ
  た白根のドームは何時見てもきれいなものです。風の当たらぬ湯元よりの斜面でのんびり
  朝食をとりました。トレースに従い少し西側に足を進めると燧岳、会津駒ヶ岳、至仏山、
  平ヶ岳、荒沢岳、そして越後や只見の山並みが真っ白に見えました。白い峰々に見とれて
  からしばらくして五色沼に降りてみました。五色沼の北岸は雪が風に吹き飛ばされ氷が露
  出している部分が多かったので、アイゼンがきいて氷結した沼の上はとても歩きやすいも
  のでした。あまり天気が良いので沼の東岸で一服しました。誰もいない五色沼は白一色の
  静かな世界でした。避難小屋に戻って少々遅い昼食を済ませ、再度白根山頂に向かいまし
  た。白根山頂からの美しい夕景が目当てでした。またも出発が遅れ、ドームを登り切った
  あたりで夕日が赤く染まり始めたので、この近辺で夕景を楽しむことにしました。この時
  間になると雲が次第に多くなり、風も強くなり少々寒くなってきました。それでも日没ま
  で下山しませんでした。残念ながらあまり美しい夕景とはなりませんでした。避難小屋に
  着いた時には、もうすっかり暗くなりヘッドライトが必要でした。
    隣のテントからは楽しそうな笑え声がきこえました。この日は避難小屋に泊まる登山者は
  誰もいませんでした。
    夕食を済ませた頃には、もうすっかり曇り空となり小雪がちらつき始めていました。

  ・12月30日 風雪
    ラジオの天気予報によると、2〜3日山は荒れ模様となることなので、躊躇なしに下山す
  ることに決めました。
    予定は31日下山でしたが、雪も少なく山に少々飽きてきたので良いタイミングで天気が
  崩れてくれたものです。避難小屋近くのテント組の学生はもう2時間も前に出発していた
  ので、大きな荷で強い風雪の前白根越えは、一人だとちょっとめげた気持ちになりました
  が、風がそれ程でもなく助かりました。前白根山を通過する頃は雪は結構激しく降ってき
  ましたが、視界があったので気持ちが楽でした。風雪の中のダケカンバ林は美しい霧氷に
  覆われていました。青空の下の霧氷でしたら文句なかったのですが。天狗平から少し下っ
  たところで一人の登山者に会いました。この日のたった一人の登山者でした。どのような
  山登りをするタイプの人か分かりませんが、大きな荷でテント泊まりとのことでした。口
  数の少ない人でしたが何かテレパシーを感じる人でした。私のお気に入りの前白根山頂直
  下の冬季テント場を教えてあげました。尾根下降分岐点からは、雪が少なく縦横にクロス
  する木の根のため、やっかいな下山となりました。スキー場に着いて今回の山行は終わり
  ました。

平成11年1月5日(火)
那須 茶臼岳 姥ヶ平  (撮影:浅川浩三)

1月5日(火)
  ・那須  茶臼岳  姥ヶ平  ・浅川浩三(単独) ・晴れ、弱風
      朝起きたら、天気予報通り天気がよく風もあまりないようでしたので、那須の茶臼岳に
  行って来ました。夕日に映える岩氷を見るのが目的でした。大丸を出発したのは9時頃だ
  ったと思います。先行者のしっかりとしたトレースがあったので、楽に峰の茶に着くこと
  ができました。1月3日以来、少しは降雪があったとみえ、いくぶん雪が増えているよう
  でした。那須の積雪の目安を、登山口にある鳥居の雪の埋もれ具合で判断している私には
  まだまだ例年より雪が少ない感じでした。
    峰の茶屋で小休止して、牛ヶ首に行きました。茶臼岳西峰の岩氷が紺碧の空に白く輝い
  ていました。しかし岩峰下部のガレバには殆ど雪が付いてなく、迫力が足りませんでした。
  牛ヶ首から南月山へは、少人数のトレースがありました。このトレースを辿り少し先に行
  ってみると、この時期としては思いの外雪が堅くしまっていました。連日の強風のためだ
  ったのでしょうか。牛ヶ首から姥ヶ平に下って見ると、トレースは全くありませんでした。
  短い距離で、積雪もそれ程ではないと思い、かんじきを持ってこなかったのが悔やまれま
  した。姥ヶ平のベンチ付近は強風のためか、まだ地肌が露出している部分もあり、歩きや
  すい部分も多少ありました。
    瓢箪池へは雪に埋もれた木道を探しながら進みました。木道を外すと腰までもぐり、やっ
  かいでした。瓢箪池の3分の1位はまだ雪に埋もれてなく、池の氷の上に辿り着いたとき
  はほっとしました。
    姥ヶ平は私の好きな場所の一つです。好きなわけは、初夏から初秋にかけての花々、秋
  の紅葉、そして夕日に佇む雪の茶臼、それらは自然の織りなす空しさを、時折垣間見させ
  てくれるからです。瓢箪池から先は、ハイマツが雪の重みで適度に沈み、ツボ足でも以外
  と歩きやすいものでした。あちこち噴煙の吹き出す、西に落ち込む尾根を辿り登山道に出
  ました。
   今日の最大の目当てである茶臼岳山頂への登山道沿いの岩氷は、まだあまり大きく成長
  していませんでした。成長していないばかりか雪混じりで、触るとすぐ崩れてしまうよう
  なものでした。あの堅くて巨大な岩氷に成長するにはもう少々時間がか かりそうでした。
  しかし、夕日に照らされた岩氷は何時見てもドラマがあり感動ものです。今回も規模が小
  さな岩氷でしたが、夕日が西の山並みに沈む直前、岩氷はオレンジ色から赤く、そしてフ
  ィナーレはピンク色に染まり、何時とはなしに夕闇へと色褪せていきました。美しい岩氷
  に出会えるのは一年に一、二度のチャンスしかないのは残念です。
      日没後、峰の茶屋避難小屋で暖かいラーメンでも作って、ゆっくりと星空でも眺めなが
  ら下山したかったのですが、明日から仕事が始まるので急ぎ下山しました。意外なほど近
  くに、白河の町明りがチカチカと見えました。急いで下ったためか、ロープウェイ山麓駅
  まではヘッドライトは不要でした。今回は、美しい夕景の代償として下山が遅くなり、大
  丸温泉に入ることができませんでした。 
  〈自問自答〉
    今回の山行は酒を一滴も飲まず、真面目であったはず、でも少し夜遊びしてしまったかな。