2001/9/15〜16  川場谷  撮影:梅原

上流のナメ滝 すだれの滝をバックに きのこ採り 吉野さん 浅川さん
植木さんと吉野さん 8mの滝 滝の右岸の岩壁 中ノ岳分岐にて 前武尊岳頂上
 ・吉野、浅川、植木、梅原、溜口
 ・14日(金)午後8時、岳友会事務所に吉野、植木、梅原の3名が集合し、8時30分過ぎに出発
  する。天気予報では『朝、晩ところにより雨』であったが、今市の手前から猛烈な雨が車を叩く。
  金精峠を過ぎる頃にはその雨もやんだが、路面は相当濡れており、明日の遡行が心配になる。
  『取り敢えず行って見てそれから考えよう』という事で、花咲温泉まで車を走らせる。今晩はこ
  こで野営する事とし、明日の天候を祈願して軽ーーく一杯というお決まりのコース・・・おやす
  みなさい・・・。
 ・15日(土)朝5時・・・音痴?な鶏の『コケッーーコッコーー』に渋々起こされ、集合場所の
  『仙の橋』に向かう。時間があったので林間キャンプ場までの下見をした後、仙の橋で朝食を摂
  り、早朝来る予定の浅川さん、溜口さんを待つ。昨日の雨で水量は増えているが天気は良く問題
  はなさそうだ。ほどなくして2人が来たので、1台の車を下山口である川場キャンプ場の駐車場
  に回した後、身支度を整え、林間キャンプ場手前にもう1台をデポする。
   キャンプ場で登山者カードを出していたらそこのおじさんが出てきて『1組(3人)が既に入渓
  している。夕方には雨が降るので河原では露営しないように』などと親切に声を掛けてくれた。
  午前9時、キャンプ場先の左岸から入渓する。いつもより水量が多いのだろう・・・直ぐに水に
  入るがやっぱり冷たい!しばらく行くとナメや小滝が連続し、うなぎの寝床と呼ばれる狭い廊下
  を巻きながら、尚も進むと美しい平滑が眼の前に広がる。ここで小休止をした後、少し進むと河
  原状に沢が開けて左手に電力会社の施設らしき建物が見える。この間は少しがまんをし、更に行
  くとナメや小滝が連続し、やがて獅子の牢と呼ばれるゴルジュに出会う。この辺りまでは特徴あ
  る滝が多く、うまくネーミングされているなと感じたが、以後はチョックストン滝や小滝が連続
  し、場所が特定しずらい。この谷は釣り人も多く入渓している為か、巻き道がしっかりしている
  ばかりではなく、そこには思いがけないお土産?が用意してあった。巻き道に入るたびに、ツバ
  タケ、ブナハリタケ、ナメコなどのキノコの群生に会う。にこにこ顔の吉野さんと溜口さん・・・
  途中からは沢登りをしているのかキノコ採りをしているのか判らなくなるが、それがかえって疲
  れを感じさせず、道草の連続の割には快調に進んでいるようだった。11時過ぎに先行パーティ
  に追いつくが、どうやらメンバーの1人が体調をこわしここで停滞と決めたようだった。その内
  の1人から『どこから来られたのですか?』と聞かれ、『矢板から・・・』と答えると、『背の
  高い人と女性ともう1人と先日、湯桧曽川で出会った』という。そのもう1人の植木さんが現れ
  ると『やあ・・』『やあ・・』と言葉を交わし『お互い同じような所へ行くね!・・・』などと
  懐かしそうに話している。『類は類を呼ぶ』(ちょっと違うな・・・?)何はともあれ、妙に親近
  感の出てきた深谷のGrとも別れ、我々は先を行く事とする。それからしばらく歩いたが沢登り
  (キノコ採り?)にもいささか飽きてきて、お昼としソーメンを戴く。午後からも小滝、ナメ滝、
  スダレ滝などを越えながらも核心部である8m滝を迎える・・が水量が多く、滝のルートは採れ
  ず、これの右岸の岩場を登る。この後も美しいナメや小滝が続き飽きる事はなかったが、やがて
  川幅も狭くなり、午後2時40分頃、左岸にテント場をゲットする。葉っぱを敷き積め、ターフ
  を張り、流木を拾い、焚き火起こしていたら急に夕立が来て5人共ターフ内へ非難・・・焚き木
  が全て濡れてしまったのでやむなく宴会の開始・・・今日はキノコが一杯取れたので、浅川風&
  吉野風キノコのスペシャルおつまみでビール、ワイン、ウオッカ、テキーラ・・・などとどんど
  んお酒が進む。また溜口さんが炊いてくれた新米が実にうまかった。
   相当飲んだつもりだが・?・?・?それでも星空を見ながら8時前には全員就寝・・・
  グーーーーッ!。
 ・16日(日)朝5時起床・・・、昨日に引き続き溜口さんがご飯炊き、浅川さんはきのこ汁を作る。
  ん・ん・・確かあと3人いたようだが、『いつまで 寝てるの!』とお母さんに叱られそうな程
  寝続ける3人・・・フワフワ?の笹のベッド?はそんなに気持ちが良かった???。おいしい朝
  ごはんを食べ過ぎた為か、出発は何と8時10分・・・そこから20分ほど登った所で小滝に行
  く手を阻まれる。巻き道もはっきりしないが、水量の多さに結果的に騙された。もう十分、源流
  まで来ているのでもっと手前から沢を左へ左へと取り、剣が峰上の沢を行く必要があったが、水
  量に惑わされてしまい北東面に突き上げる沢に入ってしまったようだった。植木さんが地形図を
  見ながらしきりに警告を発する。『沢が北東から東に伸びている』時点ではっきりと間違いに気
  が付き9時30分、引き返す・・が結局先の高巻きのやぶこぎ地点を戻るにはためらいが出、ほ
  ぼ北東に伸びる沢を行く事にした。この間50分ほどロスをしたが、結果的にはここから本当の
  沢登りとなり2倍楽しめる事になった。この先、水流も涸れず、標高差で約200m、5〜6m
  の滝が延々と続いていく。登っても登ってもまた目の前に岩壁があり、ぐんぐんぐんぐん高度を
  稼ぐ。誰かが『今日また、全く別の沢に入った様で、実に楽しい』と言っていたが、まさに全く
  その通り・・・心配は詰めの部分でスラブとヤブ漕ぎが常に頭をよぎったが、結局、スラブもな
  く、ヤブ漕ぎ30〜40分で中の岳の分岐の少し西側に出た。歩いた沢は笹清水が源流だったよ
  うだ。中の岳分岐で沢スタイルから縦走スタイルに着替え、昼食を摂る。13時10分下山開始、
  家の串山を経由し前武尊岳、川場キャンプ場への下山コースをとるがここでもきのこの群生に会
  い、お土産までできた吉野さん、溜口さん、植木さん・・・15時45分過ぎにはキャンプ場に
  到着し、デポした車を回収し、花咲温泉で汗を流す。この後は、沼田まで足を伸ばし、おいしい
  トンカツ&ビールなどを戴いた後、22時前、矢板に到着した。川場谷は前半はナメ滝が美しい
  沢歩き、後半は小滝が連続の沢登りと2日間十二分に楽しめたいい沢でした。お疲れ様でした。