前回に続き北海道での山行を報告します。
 
6月26日快晴 利尻山沓形コース
 遠くからはるばる来たのだから明日天気が良かったらもう一度利尻山に登ろうと思っていたら、ほんとうに
今日は快晴になった。念願叶えて4時50分、沓形コース登山口を出発する。
登山口には何人かの登山者はいるだろうと思っていたが、誰もいなかった。沓形コースは、鴛泊コースに比
べ標高差は200mほど少ないが、アップダウンがあり登山道も荒れていてきびしいということで登る人が少な
いと聞いていたが、これほど少ないとは思ってもみなかった。この日、このコースで出会ったのは下山者2人
だけだった。利尻山に来る登山者は効率的な100名山を目指す中高年ばかりなのであろうか。
 コースの前半は雨でえぐられたゴロタ石のダラダラ勾配の歩き難い登山道が続いた。粗末な避難小屋を
過ぎるあたりからはダケカンバ林となり普通どこの山でも見られる山道となる。いつしか森林限界を抜ける
とハイマツと小潅木帯となる。
 
 7時50分三眺山に着く。礼文島が青い海に横たわっていた。雲は一つもなかったが、サハリンを確認でき
るほどには空気は済んでいなかった。


 

 三眺山からの利尻山は眼前に大きく聳えていた。広角28mmのレンズでも全貌を収めることが出来なかっ
た。仙法志稜は谷川岳を思わせるように荒々しく岩が切り立っていた。
しかし、ローソク岩は山頂から見るような迫力はなかった。山頂には9時10分に着いた。

 
 
 山頂北方には鴛泊港が足元にくっきりと見え、稚内と行き来するフェリーも確認できた。
下方右下の沼は姫沼で、左下の小高い山は鴛泊コース登山口近くのポン山である。


 
 
 10時半、快晴の山頂を後にする。下山途中、三眺山少し手前で咲き始めたばかりのボタンキンバイを見つ
けた。この花はシナノキンバイより大きく八重咲きで豪華な感じだった。斜面一面に咲いたらさぞかし見事な
ことであろう。高山植物はハクサンイチゲを除いてまだ咲き始めたばかりであった。


 
 
 1時50分、登山口に下山する。登山口にはカミサンに迎えに来てもらった。この日の宿泊地沓形岬公園キ
ャンプ場へ向かう途中、少し足を伸ばして利尻空港近くのエゾカンゾウの咲く原野から利尻山を撮影した。
ニッコウキスゲとエゾカンゾウの違いは私には判別できなかった。 


 
 利尻島には4日間滞在した。前半2日間は雨風が強く低温注意予報が出るほど寒く島内観光もあまり出来
なかったが、することもなく島は周囲約52kmと小さいので2周もしてしまった。しかし、私好みの風景があち
こちあって、写真を撮ったり魚釣りをしたり植物観察などをしてあと一週間位のんびりして見たかった。
 2日目の午後やっと雨が上がったので、雄忠志内漁港の防波堤で竿を出したらいきなり1kgもあるアイナメ
が釣れたのには驚いた。その晩は、半身は刺身に、あと半分は煮付けにとカーホームレスの旅としては豪華
な夕食となった。
 利尻島の感想は、一口でいえばもう一度行きたい島である。利尻山をのぞいて島全体が観光地化されてい
るものの、日本最北の島らしく旅情味あふれるものを感じた。でもガソリン代は高かった。リッター135円也。
また登山道や避難小屋の整備は、麓の観光地やキャンプ場に較べかなりお粗末だ。
 
 以上で利尻山の山行報告は終わります。次は黒岳の山行報告を作成次第送ります。