花の山旅報告-その1 7月22日 蓮華温泉〜五輪尾根〜朝日岳〜朝日小屋

7月22日 曇り一時雨
 蓮華温泉を出て、標高差200mほど下ったところに、ブナをはじめとした広葉樹の原生林囲まれた「兵馬の
平」いう湿原がある。ここは標高1300m位だろうか、既にコバイケソウの花は終わっていたが、盛夏の花で
あるオオバギボウシ、クルマユリ、シモツケソウ等が今は盛りと咲いていた。
湿原の後方に見えるのは小蓮華山だろうか。
 「兵馬の平」を過ぎ、瀬戸川、白高地沢を越えて、いよいよ五輪尾根に取り付く。しばらく樹林帯の急登がつ
づくが、傾斜湿原の花園三角点に着く。ここはギボウシとキンコウカの咲く草原だった。汗した身体に草原の爽
やかな風が有難かった。ガスが切れると雪倉岳と小蓮華山の稜線が姿を現した。 
 湿原を過ぎるとダケカンバを主体とした樹林帯となる。地図上には、この樹林帯を五輪の森と記されている。
樹林帯に入る少し前に、突然の風雨に襲われた。30分程度の短時間であったが、立っていられるのがやっとで
台風並のものだった。樹林帯を抜ける頃にはすっかり風雨も収まっていた。樹林帯を抜け、朝日岳のへの稜線ま
でを白高地というのだろうか。沢がいく筋も流れる傾斜湿原が点在する別天地だ。ハクサンコザクラ、アオノツ
ガザクラ、イワカガミ等が転々と咲いていた。
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 この傾斜湿原で、木道に足を滑らし、骨折して救援を待っている中高年の婦人が木道にうずくまっていた。
ご主人が付き添い、既に私の先を行った登山者に救援連絡を依頼したとの事であった。1時間ほど後には無事、
富山県警のヘリに救出された。花の楽園も事故に遭遇してしまえば地獄となりかねない。他人事とは思えず気の
引き締まる思いであった。
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 五輪の尾根の突き上げが「千代の吹き上げ」という朝日岳への稜線である。この稜線一帯はウルップソウ、
チシマギキョウ、ミヤマムラサキ等のお花畑だ。ただし、ウルップソウの花は既に終わっていた。
「千代の吹き上げ」から更にしばらく朝日岳山頂に向かって進むと白馬岳と旭岳がコバイケソウの花咲く草原の
後方にあった。
 更に眼を別のお花畑に移してみるとハクサンイチゲの花越しに青空が広がっていた。明日はきっと良い天気に
なってくれるに違いない。事故に遭遇された方には申し訳ないと思ったが、爽やかな風と戯れて、蒸し暑い下界
を忘れて、心行くまで山の花に親しむことができた。

次回は、「花の山旅報告-その2」を作成次第報告します。