2003/6/7   平ケ岳              撮影:梅原

台倉山の下りより平ケ岳(左)と池ノ岳(右)を眺める 平ケ岳をバックに・・・姫の池にて
・平ケ岳・夏山
・梅原、薄井
・鷹巣登山口4:18---6:02下台倉山6:10---6:55台倉山7:13---8:12白沢清水8:20---9:30池ノ岳9:40---10:10平ケ岳
 11:13---12:10白沢清水12:15---13:05台倉山13:10---13:52下台倉山14:00---15:18鷹巣登山口
 (登り5時間52分、下り4時間5分、行動時間11時間)

・土曜日にするか日曜日にするかさんざん迷ったが、この時期の平ケ岳に行くには天候が一番・・・
との事で、天気図とにらめっこしながら少しでも良いと思われる土曜日と決定。鷹巣登山口に着いた
頃には既に数台の車が停まっていた。登り開始の時間は4時と決めていたが、朝食やら準備やらで思
わぬ時間を費やしてしまい、出発する頃には周りはすっかり明るくなっていた。
  鷹巣登山口から、最初の15分はやや登り気味の林道を行く。小さな沢を渡ってまもなく登山道と
なる。傾斜は徐々にきつくなり、眼前には鷹巣山から続く尾根と前坂から下台倉山へと続く登山道が
見上げられる。朝早くの登山は空気が澄み渡り、実に清清しい。最初の頃は日差しもなく、山つつじ
や真っ白なモクレンに出迎えながら、軽快に登る。やがてやわらかな朝陽の歓迎と心地よい風に後押
しされながら、ヤセ尾根を越えた所で一息入れる。ここから先は岩場も多くなり、傾斜もきつくなっ
て来たが朝早いせいか非常に快調なペースで6時過ぎには下台倉山に着いた。
  ここからは、ゆるやかな登りの尾根歩きとなる。少し行くと残雪を被った池ノ岳から平ケ岳が遥か
彼方に眺められる様になる。その姿はどっしりとしており実に雄大な印象を与える。また、登山道の
そこかしこには、シャクナゲの花を見ることができ気持ちもウキウキしてくるが、『先は長い!』と
気を引き締め直す。台倉山の手前から、登山道に少しずつ残雪が見られる様になる。ここでスパッツ
を着け身支度を整え直し、平ケ岳を目指す。左手前方には双耳峰の燧ケ岳の雄姿が真近に迫る。
  台倉山から白沢清水までは、小ピークを2つほど越えるアップダウンの続く樹林帯となる。残雪の
樹林帯は大きな木々を迂回しながら歩く必要があり、遠望が利きにくく、良く似た景色が続くのでう
っかりするとトレースを外してしまう。もっともトレースと言っても、ところどころに足跡が少し残
っている程度で極めて不明瞭だ。特に、下りのトラバースになると、すぐにルートを外してしまう。
ルートファインディングの難しさを痛感する。時々立ち止まり地形図とコンパスを取り出し方向を確
認する。晴れて見通しの利く天気の中を赤ペンキの目印を頼りに、時には目印となる赤布を巻いた竹
を雪の上に指しながら進む。途中何箇所か迷いながらも、軽い緊張感を味わいながら歩く。
  池ノ岳の中腹まで来ると傾斜も増し、稜線も狭くなりルートも明確になってくる。しかし、最後の
急坂はさすがに応えた。出発してから既に5時間以上が経ち、白沢清水から一気に登ってきたのがか
なりきいて来ているようだ。頂上手前で一息入れ、眼前の平ケ岳方面に目をやる。『後少しだ!頑張
ろう!』
姫の池で一息いれて、平ケ岳の最後の登りに掛かる。見た目ほどの斜度はなく、なだらかななだらか
な頂上付近を一登りすれば、そこは頂上・・・。
登山口を出てから6時間弱、10時を少しまわった時間だった。ほぼ同時刻に3組、6人が到着する。
頂上で記念写真を撮った後は、木道に座り込み、まずはビールで乾杯〜!この後登って来たのは一組
だけ・・・頂上でのんびりと静かな静かな時間を過ごす・・・。
  1時間余りして、下山に掛かる。残雪の下りは実に軽快で速い。飛ぶように足が前へ前へと出る。
しかし、油断しているとあっという間にルートを外して
しまう。慎重にかつ大胆に下る・下る・下る。台倉山から先は尾根道となり残雪も消える。この頃か
ら遠くの方で雷鳴が聞こえる様になる。下台倉山の下りに掛かる。さすがに足も疲れてきているのが
分かる。途中、パラッと小雨が来たが、雷の音も次第に遠ざかった様だった。やせ尾根の手前で一息
入れ、後は登山口まで一気に掛け降りた。車に戻ったのは3時過ぎ、・・・出発してから11時間が
経過していた。この後は、お決まりのコースで檜枝岐の裁蕎麦を頂き、露天風呂で一日の汗を流す。
露天風呂から新緑の会津の山々を見ながら、今日一日歩いた満足感にいつまでもいつまでも浸ってい
た。お疲れ様でした。m(__)m