2003/9/13 〜 15  槍ケ岳〜奥穂高岳縦走        撮影:梅原

大キレット
長谷川ピークの下り(飛騨側)
大キレット
長谷川ピークを飛騨側から見る
大キレットを北穂岳 から見下ろす
朝焼けの奥穂高岳から北穂高南稜 朝焼けの槍ケ岳から大キレット 涸沢岳、奥穂高岳を眺める
涸沢のコルから涸沢岳を見る 涸沢岳から北穂高岳、槍ケ岳を見る 奥穂高岳山頂にて
前穂高から奥穂、北穂南峰の朝焼け 9/28 パノラマ写真追加
・北アルプス・槍ケ岳〜北穂高〜奥穂高岳縦走
・溜口、梅原、薄井
・9/13:上高地6:08−−−8:58横尾9:15−−−11:35大曲12:10−−−15:15槍ケ岳山荘・・・行動時間9時間07分
 9/14:槍ケ岳山荘6:10−−槍往復−−7:15槍ケ岳山荘7:30−−−9:55南岳小屋10:05−−大キレット−−
    12:48北穂高岳・・・行動時間6時間38分
  9/15:北穂高山荘5:50−−−7:50涸沢岳8:00−−−8:15穂高山荘8:20−−奥穂往復−−9:25穂高山荘9:50
    −−−10:50涸沢小屋11:10−−−12:50横尾14:00−−−16:50上高地・・・行動時間11時間
・前回に引き続き台風14号が接近して来ていたが、予定通り出発し、沢渡に1時前に到着し、仮眠する。
 明くる日、タクシーで上高地に入るが、大正池に良いモヤが出ていたので写真撮りに立ち寄る。バス
ターミナルで身支度を済ませ、いざ出発。周りのホテル、河童橋、小梨平のキャンプ場などどれを取っ
ても真新しい。明神で朝食を済ませ、徳沢を経由し横尾に入る。
 横尾を過ぎると段々と山道らしくなる。この日の天気は時折日差しの指す天気。台風の影響で稜線は
風が強いと思われるが、槍沢は周りを山に囲まれ、その影響は全くない。時折、パラっと小雨がパラつ
くが樹林帯に守られ、雨具も必要はなかった。
 大曲で昼食を取り、いよいよ槍の登りに掛かる。標高差は1000m近い。覚悟はして体力の温存は
してきたつもりでも荷物が肩に食込み、足取りが徐々に重くなる。高度が上がるにつれ急速に温度が低
下して来たので、雨具を着込む。それでも、台風の影響による風がないのが幸いした。後半はかなりよ
れながらも3時過ぎに目的地の槍ケ岳山荘に着く。穂先は明日にして、部屋に入り横になり疲れを取る。
 この日は一人一畳でゆったりとしている。夜半、台風の通過でうなりを上げる戸外も気にならないか
のように、ぐっすりと眠った。

 明くる日、風は収まったものの朝からガスがでており穂先は見えない。昨晩泊まった人で多少の混雑
はあったが、槍の穂先を空荷で往復する。
 槍ヶ岳山荘で身支度を整え直しいざ出発・・・。大喰岳、中岳、南岳と3000m越えの尾根歩きを
満喫する。朝からのガスは時間と共にどんどん回復し、周りの山々を眺められる様になってくる。
 南岳の小屋で一息入れ、いよいよ今回のメーンである大キレットに掛かる。いきなり、どーーんと下
り始める。岩場の下りが連続する。はしご場を通過する。あっと言う間に、大キレットの最低のコルを
通過する。ここまで順調に来たのは、この日は人が少なく通過待ちで停滞することがほとんどなかった
からだろう。いよいよ難所の長谷川ピークに掛かる。軽い緊張感の中、ナイフリッジを信州側から飛騨
側へ抜け、A沢のコルまで来た所で小休止とする。
 目の前には、威圧するかのような北穂高の岩壁が聳え立っている。いよいよ飛騨鳴きと呼ばれる最後
の難所に取り掛かる。体は相当疲れてきているのだろうが、緊張感が体を引っ張りあげる。やがて北穂
高山荘が見えてくる。『あと少し・・』気を抜かぬよう慎重に慎重に登る。
 1時少し前、北穂高山荘に到着する。予定通り今日はここで泊まりとする。一息入れた後、北穂高山
頂から周りの景色を楽しむ。夕食まで時間があったが、やはり相当疲れているのだろう。小屋で昼寝を
する。また、食後もみんなすぐに眠りに入った。

 最終日、溜さんの『今日は快晴の天気だよ!』でシャキッと目が覚める。外へ出ると真っ暗な中にも
槍ケ岳の姿が確認できる。常念方面が少しずつ明るくなってくる。昨日、『快晴なら涸沢岳へ行こう』
と話していた。朝食と身支度を済ませ、ご来光を待つ。蝶ケ岳の方向から太陽が顔を出す。その光で穂
高の山々が赤く赤く染まる。やがて、槍ケ岳の方までも赤くなり、暫くすると、日の出のショーが終わ
る。
 6時前、北穂高山荘を出発する。雲一つない快晴の天気の中、北穂高南峰に向かう。ここから、涸沢
岳最低のコル、涸沢岳へと続く岩稜帯を行く事になるが心地よい緊張感が体を包む。最低のコルで一息
入れる。
 ここから先が最後の難所となる。昨日、ここで落石事故があったらしい。気持ちを切り替え慎重に慎
重に一歩ずつ一歩ずつ登る。涸沢岳直下の鎖場で少し待たされたが、8時前に涸沢岳に立つ。振り返る
と北穂から槍へと続く尾根が目に飛び込む。『ここまで来たんだ!』という充実感がみんなの体中を包
む。
 この後、穂高山荘に向け下る。ここで荷物を置き、奥穂へ向かう。奥穂からはまさに360°の展望
が得られる。暫くの間、周りの景色を楽しむ。『さあって、そろそろ下ろうか!』の言葉で腰を上げる。
奥穂を下る。ザイテングラードを一気に下る。横尾に出る。ここから上高地まで・・・さすがに疲れも
出てきて、最後はバテバテで5時前に上高地へゴーーール。河童橋から穂高の山々を見上げ、『よく歩
いたよなあ・・・』と思う体全体に満足感がいっぱいにいっぱいに広がっていった。
 ご同行頂いた皆様、本当にお疲れ様でした。ありがとう、ございました。m(__)m