2007/08/03〜2007/08/19   ヨーロッパアルプス/スイス/ヴァリス山群   撮影:稲葉

《参 加 者》稲葉ズ、桜井(遠峰山岳会)、マティアス(スイス山岳会)
《日  程》→は乗り物にて移動、〜は登山行動
8/03(金) 移動日:成田→中国(上海)→イタリア(ミラノ)
8/04(土) 移動日:ミラノ→スイス(ザースグルント)
8/05(日) 登山日:ザ−スグルント→クロイツボ−デン→ホ−ザ−ス
         〜ラッギンホルン(4010m)登頂〜クロイツボ−デン〜ザースグルントCS
8/06(月) レスト:ザースグルントCS→ザースフェ−→ザースグルントCS
8/07(火) 移動日:ザ−スグルント→ランダ→ツェルマットCS
8/08(水) 停 滞:ツェルマットCS
8/09(木) 停 滞:ツェルマットCS
8/10(金) 登山日:ツェルマットCS→ウインターロートホルン〜オ−バ−ロ−トホルン(3415m)登頂
         〜ウインターロートホルン→ツェルマットCS
8/11(土) 登山日:ツェルマットCS→クライン・マッターホルン〜ブライトホルン(4164m)登頂
         〜クライン・マッターホルン→ツェルマットCS
          ※夜:桜井・マティアスさんと合流
8/12(日) 登山日:ツェルマットCS→クライン・マッターホルン〜ブライトホルン(4164m)登頂
         〜クライン・マッターホルン→ツェルマットCS
8/13(月) 移動日:ツェルマットCS〜FuleAlpe小屋
8/14(火) 登山日:FuleAlpe小屋〜リンプフィッシュホルンに向けて登山開始
         〜3000m付近で雨に降られ敗退〜ツェルマットCS
8/15(水) 登山日:ツェルマットCS→リッフェルベルグ〜リッフェルホルンの岩ル−ト
         〜ThamometerCouloir(9P)V〜V- 〜リッフェルホルン(2927m)登頂
         〜リッフェルアルプ→ツェルマットCS
8/16(木) レスト:ツェルマットCS
8/17(金) 移動日:ツェルマット→ミラノ
8/18(土) 移動日:イタリア(ミラノ)→中国(上海)→
8/19(日) 移動日:成田帰国

《要  約》期待に胸を膨らませスイスに旅立ちましたが、天候不順に泣かされ予定の登山をすることができません
でした。予定していた山々を登頂することが出来なかったのは非常に残念ですが、次に繋がる遠征になったことは間
違いないと思います。ご支援ご協力を頂きました皆様に、この場をお借りしてあらためて御礼を申し上げます。
ありがとうございました。

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【8/5】予定通り、ラッギンホルン(4010m)に登ぼる。雪のルンゼ〜岩稜〜頂上直下のミックスと変化があって面白い
 山だった。Saas Gnund → Kreuzboden → Hohsaas はケーブルカーで移動。Hohsaas(3098m)展望台から登り始める。
 Hohsaasは4000m峰が18座も見渡すことが出来ることで有名な展望台。この日は快晴で最高の景色に包まれながら登
 山を楽しむ事が出来た。予想以上に雪が残っており、頂上直下のミックスの部分では結構ヒヤヒヤ。しかも、時差
 ボケなのか?移動疲れなのか?高山病なのか?かなり私の体が疲れている。足取りが重くなかなかペースをあげる
 ことが出来ない。下りもゴンドラを使用する予定だったが、そのおかげで帰りのゴンドラの時間に間に合わずキャ
 ンプ場まで歩いて下る事になってしまった。本当に疲れていたので、歩いて帰ると決まった時は泣きたい気持ちに
 なった。しかし、歩くしかない。長い長いハイキングコースをひたすら歩く。サマータイムに助けられ、どうにか
 明るい時間(PM8:00)にCSに到着。4010mの頂から村までの標高差2600m。もちろん足はガクガク。予定外の長時間行
 動をしてしまった為、今後の登山に備えて体を休めることになり、翌日登頂予定だったアラリンホルン(4027m)は中
 止することになった。

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【8/10】ラッギホルン登頂後、8/7〜8/9の3日間は大雨に降られる。予定していたヴァイスホルンは挑戦することさえ
 出来なかった・・・。山では大雪が降り、8/9の朝はCSにもが積もった。8/10この日の朝も霧が深く、街からは山は全
 く見えない。今日も天気が悪いのか・・・と憂鬱な気持ちで街に出かけた。しかしケーブルカーの駅で確認できるLIVE 
 CAMERAを見たら、ウソのような光景が映っていた。3000m以上は晴れているようだ。信じられない。半信半疑で乗り
 物を乗り継いでウンターロートホルン展望台(3103m)まで行ってみる。展望台に到着する寸前まで霧に包まれてい
 たが残り100m付近で雲の上に出た。ウソのような光景は本当だった。雲海の上に山々が…。景色は最高だが山々は
 真っ白。折角なので通常は展望台からハイキングコ−スで登れるオ−バ−ロ−トホルン(3415m)を正面からラッセル
 で登った。低くても自分達だけのトレ−スは最高(低いといっても日本では2番目の高さ)。頂上から360°の展望を
 楽しむ。しかしよく積もったなぁ〜。マッターホルンが良く見えたが、白すぎる。雪が溶けてくれるか心配だ。

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【8/11・8/12】櫻井・マティアスさんと合流してからブライトホルンには登る予定だったが、好天の周期に入り待ち
 きれずブライトホルン(4164m)に登る。クライン・マッターホルン展望台(3883m)まではケーブルカーで移動。展望
 台から登り始める。頂上では風が強く、寒かったが高度は感じない。高度順応は問題ないようだ。沢山の人が登っ
 ており、トレースはバッチリ。8/12は4人で登頂した。両日とも天候に恵まれ景色は素晴らしかったが、登り350mh
 しかなく1〜2時間で簡単に登れてしまうのでちょっと物足りない感じがした。何度も単眼鏡でマッターのルートを
 見てみたが登っているクライマーを確認する事が出来ない。相談した結果、マッタ−ホルンは中止にした。リンプ
 フィッシュホルンへ転戦する事に決めた。FuleAlpe小屋泊でチャレンジする事にした。

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【8/13・14】8/12はFuleAlpe小屋まで移動。乗り物を使うと楽だが時間もあるし、交通費削減でハイキングコースを
 町から歩いて移動する。ハイキングコースでは沢山のが咲いていた。小屋に到着してから、3000mのガレ場まで空身
 で下見する。小屋はかなり快適。私は日本の山小屋を使用した事がないので違いは分からないが、食事も美味しいし、
 部屋も広い。まるでホテルの様だった。8/13 AM2:30起床。準備されていたパンを食べ、急いで出発準備する。
 AM3:30出発。好天を期待したが、朝から曇りで何だか嫌な感じ。出発して1時間経過した頃、3000m付近で雨に降
 られる。天気待ちをするが他パ−ティ−がぞくぞくと下山して来る。ガイドが下山してきたので様子を聞くと『雷
 の心配があり、登山を続けるのは危険だ』と言われた。粘ったが、相談した結果、下山する事に…。 しかし小屋に
 着く頃、見事な快晴に変わる。天気予報が外れたのだ。拍子抜けして放心状態になる。再アタックも考えたが時間
 切れだし諦めるしかなかった。

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【8/15】昨日の鬱憤を晴らすべくリッフェルホルンの岩ル−トへ。この岩場はコルナーグラード鉄道のRiffelberg駅
 降りてすぐの場所にある。ThamometerCouloir(9P)V〜V- を登る。快適な凹角を登るル−トで素晴らしい。稲葉
 ズは今回の遠征はクライミングシューズを持ってこなかったので、クライミングシューズを持参していた桜井さん
 にリードしてもらい、稲葉ズは登山靴でオ−ルフォロー。流石に核心のV- は登山靴ではヒヤヒヤしたが、フリーで
 クリアー。桜井さんは見事全ピッチオンサイト!? 


結局、予定していた4000m峰の山は2座しか登頂することが出来ず非常に残念ですが、ヨーロッパアルプスという目標
に向けて登山活動を行い、充分に準備して取り組めた遠征だったと思います。天候には恵まれませんでしたが、出来
る範囲で充実した山行が出来ました。今後の登山活動に生かしていきたいと思います。