第2回 受信部

  受信部について説明します。

1)送信部の回路の変更

  1)VXOの周波数飛び対策
   実験中に急にノイズが減った時がありました。いろいろ調べてみると、電源投入時に発信周波数が14MHzで
   はなく18MHzになっていました。オンオフを繰り返すと結構頻繁に起きていました。
   原因は水晶に直列に入れたコイルにあり、抵抗を抱かせてQダンプする事で安定しました。
   前回の説明の「Qが高い方がいい」は誤りのようです。抵抗は10Kから33Kオームで確認し22Kとしました。

  2)ミュート
   受信部を組み込みキーイを操作すると案の定ブツブツとノイズが入ります。
   本来は送信部が動作する前にミュートを掛ける必要があるのですが、マイコンを使って制御しているわけでは
   ないので、事前にミュート信号を作れません。そこでキーダウンしてからミュートがかかるまで一寸だけ送信部
   が働くのを送らせる必要があります。そこで74HC240のファイナルの制御端子(1番ピン)にディレイ回路を入れ
   ました。

  3)その他
   下記の回路の緑で囲んだ受信機への接続部分です。Aは受信信号の結線、Tはミュートで使います。
   


2)受信回路

  T1 : コア T37−6 L2,L3はバイファイラ巻き 23T   L1はその上に3T
  T2 : コア T37−43 L4,5,6はトリファイラ巻き 8T

  1)動作説明
   特段説明するほどではありませんが、ショットキーバリヤダイオードによるDBMで検波後、オペアンプ2段で増幅
   します。
   こんな簡単な回路で聞こえるのか?と思われる方もいらっしゃると思いますが、アンテナさえしっかりしていれば
   そこそこ受信できます。(Pixie2でも実用になるのですから。)
   ミュートは完全ではありませんが、オペアンプの帰還を制御しています。これでもノイズは入りますが、我慢できる
   範囲なので(回路を複雑にしない事も目的にあるので)、これで良しとしました。

  2)問題点
   一番は音量調整がないことです。これはパソコン用の(マイク付き)ヘッドフォンでボリュームが付いているものを
   使うことで対応しています。
   二番目はフィルターがないことです。しかしQRPerお馴染みのRock-Miteにも付いていないので・・・。

3)進捗状況
   写真は受信部を組み込んで一応動作する状態にしたところです。

  1)写真ではよく見えませんが、確認用に部品を付けたりはずしたりしていたので、ランドがかなり取れています。
   また、後から追加したディレイ回路と受信部の同調回路のトリマーコンデンサーは裏付けです。
   これではケースに入れられません。
  2)一番心配な不要輻射の様子。これは一寸前に作ったスペアナ(ハムジャーナルの最新号に載っているものです)で
   測定した結果を次回お見せします。

  そこで面倒ですが、もう一度別基板に組み直すことにしました。 一度組んでいるので回路上は問題はないはず
  ですので、ケースを決めて配置を少し変更します。せっかく作り直すのですから電池(単四を8本12V)を内蔵して
  ケースに収めます。

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