注意点:
このループアンテナは携帯性を重視しているためループには長さ2mで直径3mmのアルミ線や直径2mmの銅パイプを使っています。マグネチックループアンテナの送信効率はループ材料の直径が太い程またループの大きさが大きい(但し制約あり)程良くなります。
受信は十分な性能が有りますので、出先で受信できてついでに送信もできればいい、と思われる方向きです。


送信効率等の計算は「66pacific.com」のSmall Transmitting Loop Antenna Calculatorをご覧下さい。
数値を入力するとAntenna efficiency: Antenna bandwidth: Tuning Capacitance: Capacitor voltage: Resonant circulating current:他が表示されます。
これにより細目のループ材料で直径を大きくしていくと、効率を上げてもバリコンに掛かる電圧を抑えられ、自作品でも5W10Wで使えそうなことが分かります。
但しループが細い時の計算結果には疑問な点もありますので、あくまで参考程度と考えて下さい。

(A)Wonder Loop アンテナの特徴と自作品の違い

本家のもの
1)トランシーバーの背面アンテナ端子に直接取り付けるので場所を取りません。
2)最新機種(Wonder-Loop 750)は7〜50MHzをカバーしています。
3)高価です。(日本で買うと2万円以上します。)
4)同調最良点は受信ノイズ最大点、あるいはSWR計を使う必要があります。

自作品
1)体から離して設置出来る様にカメラの三脚に固定して使います。これにより、リグの位置が物陰でもアンテナは良い位置が選べます。(5Wとはいえアンテナに近づけた蛍光灯が点灯する電界強度があります。)
2)アンテナの効率が実用レベルの14〜30MHzでの運用を目的としています。
  但しループ直径64cmの時8.2〜42MHz90cmで6.5〜32MHz をカバーしています。
3)材料費はおよそ4000円でした。
4)内蔵のチューニングインジケーターで、SWR計を持たなくても最良点に調整できます。
 もちろんノイズ最大点でも合わせられます。

【ご参考】
磁気ループアンテナはループの直径や太さ等で送信時の効率が変わります。
特に周波数が低くなる程効率が落ちます。効率が数%しかない7MHz(1mのループ使用時)は受信専用と割り切っています。
なお、ループを64cmのままで7MHzを受信するには、ループの接続端子に200pF程度のコンデンサーを繋ぐかループの直径を90cmとして下さい。但しこの場合は自立が難しくなります。

(B)回路図

 本家のもの(非公開のため推定)  自作品
アンバランス型  バランス型

巻き数は16ターン、2ターン目でタップ
コアはT106-6?
写真やネット情報から推定

拡大図はこちら

本家のもの・・・を再現し確認した結果です。下記の(D)その他 1)本家の回路で試作参照下さい。
1)帯域を広く取るためコアは黄色のTXX-6 バリコンは高耐圧ポリバリコン?を使用。
2)アンバランスのため5Wで送信した時、蛍光灯はトランスでステップアップされた(16T)側でしか点灯しません。
3)何故か同軸ケーブル入力近くにパッチンコアを入れると蛍光灯は点灯しない。 本家はどうなのか不明です。

自作品
1)数種類の磁気ループアンテナを作った経験からも、実用周波数帯を考えて14〜30MHzを確保出来れば良いとしました。入手可能なバリコンの容量から結果的に10MHzもカバーしています。
2)高耐圧ポリバリコンが入手できなかったことから、上記の回路図の様に直列として耐圧を上げています。またこれにより、ローターの摺動接点には電流が流れないため、直流抵抗削減(熱に変換される分を低減)になっています。
3)バランス型のため、ループアンテナのどちら側でも蛍光灯が点灯します。パッチンコアの影響もありません。
4)SWRは10〜30MHzで1.6以下に収まっています。

C)チューニングインジケーター
ここに載っていた物が部品が少ないためそのまま使いました。4ページ目にある回路図の右半分です。
以前に作った回路からトランスを省いたものです。その為1W程度ではLEDが消える範囲がやや広く、同調の最良点から僅かですがずれる事が有ります。3〜5Wで使用すれば正確に同調できます。


(D)その他

1)本家の回路で試作


2)チューニングインジケーター無しの基本回路で作った試作品の内部



3)最終品の内部

ケースが変更になっています。チューニングインジケーターはプリント基板を作りました。

4)小型三脚と本体、ループ(φ2の銅パイプ2m)


ご質問は下記にお願いします。(アットマークを@に変えて下さい。)
ja1uxrアットマークikegami-net.com