使用ICは 74HC240(VXO、ファイナル、サイドトーン他)
オペアンプ(低周波アンプ)
3端子レギュレータ(電源)
の3個です。ちなみにミキサーはダイオードによるバランスドミキサーを作ります。
実験後はケースにそのまま組み込むために、回路周辺にはスペースをもうけています。
不要部分は最後にカットします。
1)はじめに
以前にNoCalの"38 Special" の回路を見てロジックICで送信機を構成しているのに感心しました。
受信部をダイレクトコンバージョンに変えれば自分でも出来そうに思えていました。
出来るだけシンプルに(VXOで可変は10KHz程度)しながらもそこそこの性能を狙って、時々は実験を
して準備をしていました。
しかし発表するとなると、ロジックICの送信部は方形波を扱うためスプリアスだらけのはず。測定も
しないで、と言うわけにはいきません。「泥縄だ」「本体よりも準備に金を掛けるのは本末転倒だ」と
いわれようとも、スペアナが必要になりました。それに数百mWを測るパワー計も。
運良くホームページで見つけたのがGigaSt(ギガサイト)というスペアナのキットです。
申し込んでからしばらく待ちましたが入手でき無事完成、そうなるとリターンロスブリッジも欲しくなり
これも作りました。ついでに1uH以下を測るブリッジも・・・という訳で肝心のトランシーバーの着手は
遅れてしまいました。
2)コンセプト
1)IC、TRの数を減らしプリント基板を起こさなくても簡単に作れること。
2)74HC240を使い14MHz 出力は0.2W(現在のところ0.1Wです。)
3)VXOとし、可変は10KHz(±5KHz)
3)14MHzモノバンドなので移動にはダイポールアンテナが張れる前提とします。
そのため、無理に受信感度を上げるよりは、ダイオードによるバランスドミキサーで中波の通り抜け
対策らしき機能を持たせ、必要に応じてRF−AMPを追加します。
4)サイドトーン内蔵
3)回路図(送信部)
3)−1 回路説明他
A) 74HC240は2つのブロックに別れています(図中のA,B)。 Aは制御端子19番ピンで制御でき
GNDに接続する事で常時オン(動作状態)になっています。
Bは1番ピンで制御され、キーダウンの時には動作し、アップの時は出力はハイインピーダンスです。
これにより、VXOは常時動作となり、ファイナルとサイドトーンの出力はキーが押され他時のみ動作
する事になります。
B)発振回路は「株式会社 多摩デバイス」の「初歩的な技術資料」を参考にさせていただきました。
74HC240で試してみると、発振が不安定(発振がスタートしないことがあった。)なことがあり、
・帰還抵抗は1Mよりも47K
・発信器の出力の負荷容量がある程度(20PF)ある方がいい
事が解りました。そのため、当初はVXOの出力とファイナルの間にバッファをいれてた方がいいと考え
ましたが、急遽上記のように変更しました。
また、水晶と直列に入るコイルは大きさ(Qの問題か?)により、同じ容量でも極端に周波数が変わ
るものがあります。大きめ(Qが高い?)のものを使ってみて下さい。
VXOの可変範囲は約10.5KHzでした。
C)サイドトーンが不要の方は、Bブロックを使っている部分をファイナルに流用して下さい。出力が増加
します。(その時Aブロックの使わない入力はGNDか電源に接続して下さい。)
D)「予備」とあるのは、送受切り替えやミュートの回路によっては、キー端子の電圧とは逆の信号(H/L)
が必要になる事があるため用意してあります。
E)終段のコイルはトロイダルコア T37−6(黄色) に巻いています。扱う電力が小さいので、さらに下
のランク(T25)でもOKですが、小さすぎて巻くのが辛いのであえてT37にしています。
3)−2 出力
「200mWは軽く出る」と思っていたのですが、残念ながら100mW強でした。
これは電源電圧にも関係します。
N7KSB氏によるとホームページ http://www.madisoncounty.net/~kj5tf/n7ksb.html において
74HC240を 7.8〜8.0vで使うように説明してありますが、例えばFAIRCHILDのMM74HC240は
最大定格が7.0Vとなっています。
出力は欲しいが壊れるのが心配、というわけで現在7.6Vで使っています。
東芝 三端子レギュレ−タ TA78DM08S
は手持ちを測ったところ8.2Vありましたので、使うのはやめ
LM317Tで7.6vにしています。
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