Rock−MiteにRITを付ける

1)Rock−Miteとは
  これはSmall Wonder Labsが発売しているQRP用CWモノバンドトランシーバーで、その特徴は
  同社のHPによると(抜粋)
   - 両面基板で約5cm×約5.6cm
   - 出力0.5W( 12V使用時)
   - 7039/7040 Khz の2波利用可能(14Mhz用は14060/14061)
   -エレキー内蔵  5-40 WPM
   -サイドトーン内蔵, 700 Hz
  とあり、ダイレクトコンバージョン方式ですが、中波放送の通り抜けもなく感度も良好です。
  (入力段に水晶発振子のフィルターが入ることで、選択度を上げると共にコイルを排除している。)

ケースは100×70×30mm       内部の様子 単4×6本
電池はショートしないようにフィルムで覆っています。

2)もう少し使いやすく
 今年の1月に14MHzのものを購入し、一度素のままで一度作りました。しかし、なにしろ受信
 周波数も固定であることから受信するトーンが好みの音程になりません。
 送信周波数はQRP専用と割り切れば固定でも問題無いことから、VXOではなくRITを付けることに
 しました。(回路的にはVXOです。)

RIT回路(周波数シフト回路を一部変更し、送信は固定、受信は可変としています。)
(図中にCとあるのはQ3のドレインに接続します。本来の回路にあるQ2とR9,10それにD5は不要です。)
コイルはボールペンの芯に0.2mmを25回巻いたものです。

基本回路は製品に同梱しているものをご覧下さい。(ここでも見られますが、変更されている可能性
があります。)

3)回路説明
 Rock−Miteを作った方は既にお判りでしょうが、C点、Q3のゲートの送受信時の切り替わりを利用
 しています。
 受信時(キーアップ時)ダイオードが切り離されておりVRにより可変された電圧がバリキャップに供給
 されます。 送信時(キーダウン時)は両方のダイオードがオンになり(C点はグランドに落ちる)VR回路
 が切り離され、18kと82kの抵抗で分割された電圧がバリキャップに供給されます。
  なお、ダイオードは少しでも電圧変化を大きく取りたかったため、ショットキーバリヤーダイオードを使っ
 ていますが、通常のシリコンダイオードでも問題ないと思います。

受信時の動作
受信時は14059〜14061をカバー
送信時の動作(18kと82kで分割された電圧がバリキャップに供給される。)
送信時は14059近辺になる。82k変更で微調整可能
  送信時にRIT用のVRを回しても、送信周波数には影響しない

4)問題点
 (a)サイドトーンが汚い。又音量が大きすぎる。マニュアルに対処方法の記載があり、組み込んでいる。
 (b)キークリックが耳障り(イアフォンから大きな音で聞こえます。)
 (c)電源電圧9Vでは出力が小さい。(私の場合は約100mwしかでませんでした。)

 この回路には時定数を持つ部分がありませんので、フルブレークインで上記の回路が切り替わります。
 しかし、実際は大きすぎるサイドトーンの音量をRCのフィルターを入れ聞き易い音質と音量を小さくすると
 イアフォンから大きなキークリックが聞こえます。これはもともとRock−Miteが持っており、サイドトーンで
 隠されていたものです。
 仕方なくミュートの時定数をやや大きくすることで逃げていますので、受信の立ち上がりが遅くなりセミ
 ブレークインで使っています。

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