2)回路図の前に

 お楽しみはもうちょっとだけ後。
 作るにあたってはこだわりがあります。
 小学生当時、既に鉱石がむき出しの探り針式検波器は商品にはありませんでした。ゲルマニューム
 ダイオードが世の中にはあり、キットの中心もゲルマラジオに移っていました。しかし最初に見た小さな
 筒に入った鉱石検波器が付いたものに、何故か惹かれていました。
 そこで、

 イ)筒に入った鉱石検波器を使うこと。(原理は探り針式と同じです。)
   もちろん鉱石は自分で掘った(願望です)方鉛鉱。
 ロ)クリスタルイヤホーン以外は自作する。
   ツマミも完成品じゃないか!なんてチャチャを入れないで下さいね。そこまで拘ると植林からはじ
   めないといけませんので。
   なお、抵抗は作ろうと思えば割合簡単ですが、部品箱にいっぱいあるので誘惑に負けました。
   無くても動作します(言い訳ですHi!)し、気が向いたら?作りますということでご容赦下さい。
 ハ)バリコンは使わない。
   バリコンの作り方を期待されていて「そんなの詐欺だ!」と思われる方もいらっしゃるかも知れま
   せんが、あくまで「私の鉱石ラジオ」です。その代わりコンデンサーの代用品に、いいものがあり
   ました。
 二)ホームセンターで入手できるもので作る。
   端子を蝶ネジにしたのもこのためです。(池袋東急ハンズにはイヤホーンや鉱石も売っています。)
 ホ)居間においても不釣り合いでないこと。
   訪ねてきた友人に「お! 鉱石ラジオか!」と言われること。
   檜や黒檀が使えればいいのですが、予算の都合で側板はベニヤ、色も塗っていないしこればか
   りは宿題ということで。


3)いよいよ回路図

  
  回路図にするとこれだけです。これでも数回試作を繰り返して出来た物です。

 1)東京では大きなアンテナを付けると結構混信します。選択度可変が必要でした。
 2)バリコンを作るほどの設備(本当は技量)が無いので、同調はインダクタンス可変とするがツマミ
   を回して同調を取る機構であると。
 3)検波器は鉱石を入れた物と同じ形で、ゲルマニュームダイオードを入れた物を作っておく。
   これは電波が弱いときに、チューニングが取れていないためか検波器が悪いのかが解らなく
   なるため、テスト用に使います。
 
 コイルはいいとしても固定コンデンサーをどう作るかが問題です。銅板を向かい合わせて・・・と考
 えていると両面基板が目に入りました。単に切っただけなので「作ったと」言えるかどうかは別に
 しても、手間を省いた上に誰でもきれいに作れます。再現性もいいのでお勧めです。
 もちろんそれでは気の済まない方は、銅板を薄い絶縁物の両側に張り付けても作れます。

 図中のL、Cの仕様は下記の通りです。
 L:0.3mmの線を350回 ボビンは24mm径の塩ビパイプです。詳細は写真と図を参考にして
   下さい。出来るだけ長く作った方が、回転角度が大きくなり同調がやり易くなります。
   現状では回転角度は約100度です。
 C:10cm×10cmの両面プリント基板を使いました。コイルの巻き数によっては、もっと大きな
   面積が必要かも知れません。絶縁材の材質によっても容量は異なってきますが、その辺は
   カットアンドトライでOKでしょう。ちなみに私が使ったのはガラスエポキシの1.6mm厚です。

4)内部構造


コイルのQを上げるには同調コンデンサーを側面置いて、コイルから遠ざける方が良かった?

1)コイルとスライドレバーの関係です。結合度調整のスライドは、コイルに押しつける方向にバネ
  が入ります。写真にはありませんが、同調用はパネルとツマミの間にバネがが入り、スライド
  を外側から引っ張った状態にすることで、コイルに押しつけています。(詳細はこちらです。)
    なお、コイルは上側がアース側です。作ってみると解りますが、右に回してインダクタンスが
  減る方向でないと、同調ツマミの回転が逆になってしまいます。

2)スライドバーのストッパーは木ねじを使った簡単な物です。結合度調整用のバーのストッパー
  はコイル固定用の木の輪切りにした物で兼用させています。

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